携帯亡くして不便ですが、ちょっと懐かしい生活を送っております(笑)。
思えば昔は携帯電話もなく、私が初めて仕事をした頃は、ポケットベルで番号しか出ませんでした…。
こんな生活もいいかなと、思ったりしてます。
本日は、某都道府県、某病院で臨時の当直をしているはずです。
(予定で事前にブログを書いて時間に発射しているのでどうなろかわかりませんが…)
Twitterのタイムラインで、子宮頸がんワクチンについて、また触れられていたので、改めて書きます。
私は、副作用被害報告が出始めた頃から、この子宮頸がんワクチンの接種を中止、又は見合わせと言う発想は全くもってませんでした。
私の過去ブログを読んでいただくとおわかり頂けますが、ワクチンに対する私の考え方は、とてもシンプルです。
過去ログ ① ② ③ ④ ⑤
ワクチンの適用条件
ワクチンの効果>副作用リスクの確立
それから…
ワクチン効果による有益性>副作用発症による不利益
これ以外、これ以下のなにものもありません。
良く、ワクチンは製薬会社の陰謀と仰る方がいますが、製薬会社は予防薬やワクチンを必死に生産販売するより、治療薬をたくさん発売した方が利益になるはずです。
もうちょっとさらっと、深入りすれば、薬は開発の研究費が価格の大半を占めます。
治療薬はある程度完成してしまえば、あとの生産はとても安価に作れる薬が多いです。
しかし、ワクチンはどうかと言うと、特に今が旬な「インフルエンザワクチン」ですが、毎年毎年内容が変わります。
これは、インフルエンザのウイルスの形は、変異が早く、毎年毎年、その年の流行を予測して作り直していきます。
同じものを毎年作る事は出来ないのです。
無論、ワクチンの方が開発に手間も費用もかかります。
「ワクチンの方が高い」と仰る方もいますが、それはワクチンは全額自費だからです。
治療は、3割から、未就学児は2割、一部1割負担となります。(自治体のこども医療費手当をのぞく)
実際には、あと、7割から9割健康保険から負担されてます。それを無料とは思わないでください。
みなさんから集めた、健康保険料と税金でまかなわれています。
健康保険は相互助け合いと言う考え方に基づき運用されている仕組みです。
話戻します←。
私は当初から、子宮頸がんワクチンの副作用被害疑いを軽視したことは、1度もありません。
しかし、それが、被害者会の方々が訴える「予防接種即時中止」の理由には全然ならないと確信しています。
また厚労省が「予防接種の積極的接種を控えています」と言う、曖昧で…じゃやめておこうとなるような喚起を激しく批難してきました。
(こんな言われかたしたら、医学知識のない方や、中途半端に疫学の知識を持たれている方々には、じゃ暫く控えようとなるのは当然です)
子宮頸がんワクチンの公費負担は、自治体により若干差がありまが、概ね12歳~16歳までとそんなに長くない期間に、指定された間隔で3回接種します。接種完了に間隔を空けて接種しますので6ヶ月かかります。
つまり、学業もありますので、それほど接種期間に猶予はありません。
更には、子宮頸がんワクチンは、性交未経験の状態での接種をしないと完全な効果が期待できないと言う特性があります。
つまり上記の年齢がある意味ギリギリとも言えます。
参考に自費で接種すると1回2万円前後の価格設定です。
ワクチンの効果というのは、とても検証しにくい側面はあります。
天然痘のように完全に撲滅すれば、効果あったと考えられるでしょう。
しかし、ワクチン効果はこのように極端な効果を検証する事は中々できません。
この子宮頸がんワクチンは、はっきりと「前がん状態」(ガンになる前の状態)を作らない事ははっきりと、米国における大規模検証実験で明らかになっています。
言い替えれば、他のワクチンとは異なり、比較的検証が容易に出来ることから、検証実験が可能な範囲で最大限行われています。
そして、上記効果があることも確認されています。
そして、他のワクチンより重要性が認められ、比較的早く国内で承認された経緯はあります。
(それでも他の先進国よりはかなり遅めの承認です)
WHO世界保健機関も、日本での副作用報告を受けて、様々なデーター検証を収集してましたが、その公式発表は他のワクチンと比較しての、突出した副作用は無いことを宣言しました。
(WHOの発表は、その辺の無責任に報道する日本のマスコミや疫学をもう一度勉強して来いの勉強不足の医療関係者より発言に責任があります)
。
日本は承認薬による予防接種を受けて副作用が出てしまった場合、副作用救済制度があります。勿論予防接種副作用被害も対象です
しかし、予防接種受けなかった場合に発症した疾患に関しては救済制度はありません。
この上記の二行大事なのでもう一度、
予防接種を受けて副作用が出てしまった場合、
副作用救済制度があります。
予防接種を受けなかった場合に発症した疾患に関しては救済制度は一切ありません。
日本語は難しので、もう一度意味を噛み締めてください。
予防接種を受けて副作用が出た場合、
副作用救済制度があります。
予防接種を受けなかった場合に発症した時は、
救済制度は一切ありません。
(つまり完全な自己責任となります)
重要な事をもう一度、
子宮頸がんは、初期発見率がものすごく低いです。
私達は、定期検診をしつこく根気強くお勧めしてますが、
受診率は先進国最低です。
そして、子宮頸がんワクチン予防接種を不要唱える方は、この定期検診で防げると言い切ります。
私は、出産後のシーンに良くご一緒させて頂きますますが、妊娠時の検診でわかり、出産時には処置手遅れ、と言うケースはたくさんあります。
結果、ママは赤ちゃんの出産と引換に、後に旅立たれケースをたくさん見てきています。
子宮頸部は女性にとってはデリケートな部分です。
ですからやはり、定期検診が進まない背景があります。
もちろん、ワクチン接種を受けていても、完璧ではありませんから、定期検診を必ず受けていただくように推奨してます。
しかし、それでも昨今定期検診の受診率は、上がっては来てますがまだまだです。
昨今、本当にこの子宮頸がんワクチンに関して、無知なブログ。
無責任に接種の即時中止を訴えてみたり。
目に余る記事を良く見ます。
私達医者にとって一番大切なことは、病気にさせないことです!。
今、接種を控えている先生がいらっしゃるとしたら、良く胸を手にあてて考えてください。
先生はどうして、医者になろうと思いましたか?。
疾患で苦しまれる患者が一人でも減ることが、私達の最大の喜びだと思います。
副作用リスクに対しても、真正面から向き合うことが大切です。しかし、その稀少数の副反応を回避するために、効果の明確に確認出来ている、ワクチン接種を中止するのはどうでしょうか…。
私は、それは違うと思います。
このワクチンの目的、副作用の発生頻度をきちんと明確に説明し、地道に接種を推進して行く。
それによって疾患が減ることが、喜びだと思います。
医者vs患者と言う一番最悪で、一番意味の無い構図は絶対作りたくありません。
無知識な者に負けない、専門家視点から、きちんと説明し、接種を勧奨していくのが役目だと思います。
私達は目的を、いついかなる時も忘れてはならないと思います。
そして情報提供して、その結果患者が判断するのであればそれ以上は必要ないと思いますし、それ以上は私らの役割ではないと思います。
ただ、患者は接種を望むのに、うちでは接種をやらない…これは違うと思います。
しかし、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)は、定期接種と言う…(苦笑)。
政令ってなんだろうーと、思うのは私だけでは無いと思いますが、積極的な接種勧奨をすべきと私は考えます。