ドクターラスカル徒然to(コマネチしながら奮闘)

DrRasukaruが色々思った事を全くの持論で書き綴ります。 医療情報以外には一部思い込みもありますので、確認してからご利用下さい。 医療ネタに関して特定患者情報に最大の配慮をするために、原則書きません。 原発ネタは、科学的根拠が無い話はスルー。原発危険妄想より、裸のきれいなお姉さんの妄想が好きです。 コメントは受付けませんが苦情やコメント、ご意見等はTwitterで一応お受けしてます。 (Twitterアカウント @Dr_RasuKaru) 個人の考えは個人の考えなので、他人の考えを押付けてくると、返討しますのでご注意ください。 医療を否定する人…回れ右して下さい。 精神病が気合で治ると思ってる人…多分そんなあなたが私は心配なので、心療内科を受診されてください。 多分周りを精神疾患にしているのはあなただと思います。 病院では診察する医者。ブログではどうしたら病気にならないようにしたら良いかを一緒に考えて欲しかったりします。 治療方針も「先生にお任せします」は止めて下さい。 あなたの体で、あなたの人生、あなたの身内、あなたが決めることです。 偽医学には激しく抗議します。 英語が大好きなのに、医者になってから英文を読むのにうんざりしてしまった人。 実はしゃべれるけど書いたり読んだりは苦手です。

2016年05月

食中毒になりやすい季節到来

今日は昼間は暑く、夜は涼しい関東でした。

この時期はすごく中途半端な気温で、食べ物保管に油断をしてしまいます。

冬場から中々頭が切り替わらず、「まだ大丈夫だろう」が、大変苦しい思いをしてしまったり、間違えれば命に関わるようなケースも出て来ます。

真夏と同じ気持ちで食中毒予防対策をしていきましょう。
慎重になりすぎる位が丁度良い季節です。

良くあるのが、カレーやシチュー等の煮込み料理。
常温保存はもう危険です。再加熱をしっかりしてから食べるようにしましょう。

それからお弁当等も同様に、保存に注意しましょう。

食中毒は重大な後遺症を一生残してしまうようなケースもあるので、梅雨入り前後のこの時期もキッチリ予防対策をしていきましょう。

子宮頸がんワクチンをキッチリ再開しないとダメ

おはようございます。

余りにブログが放置でさすがにこれはいかんと思い…

いやいや、そんなんじゃないんです。
本当におっさんはひっくり返りそうになったんですって…。

野良たぬき…
じゃなくて…間違えた

そこのへんのラスカルは本当に驚いたんですよ!。
近所の小児科で「子宮頸がんワクチンの予防接種お願いします」と、野良たぬきの娘の接種をお願いしようとしたら…
「うちでは子宮頸がんワクチンの接種はやってません…」と来ましてね…

野良たぬきはビックリした訳です。

「政令の定期接種ですよね?。他のワクチンはやっているのに??」

「厚生労働省より積極的な接種は控えるとの通達が…」と来たので、

「小児科学会や産婦人科学会など15の医系学会からワクチン積極推奨が出てますが…」

「とにかくうちはやってないので…」…(詳細な説明なし)

野良たぬきは驚いてしまいまして…

ここで、まあその開業の先生の信念はあるのかも知れません。
積極的な推奨を国がお墨付きでするまではやらないと言う信念。
(ちなみに私はこの先生に対して、個人的には信頼してますし好きな方ですが、この考え方には全く賛同しません。どれだけ疫学の勉強が足りないんだろうと心の底で大声で言いたいです)

この出来事の中で、「それダメー!」が、大きく3つあります。

まず一つは、厚労省がいつまで経ってもハッキリしない事。

もう一つは、副作用被害事例を精査できない接種を積極的に行わない医者が少数いる事。

最後に予防接種の趣旨を理解して、子宮頸がんワクチンが何故必要かをまとも勉強せず、学ばない接種対象の年齢となっているお子さんの親御さん方とその子達です。

予防接種とその副作用は、子宮頸がんワクチンに限らず全ての予防接種にあり、子宮頸がんワクチンによると見られる副作用を事例別に精査すると、他の予防接種と然程その率は変わりません。
(単刀直入に申しあげて子宮頸がんワクチンそのものに由来する副作用は他の予防接種と変わらない)

ここで注意して欲しいのは、ワクチン以前に体に針を刺すことで起きる副作用は一定数元々ある事。
子宮頸がんワクチンの接種対象年齢となる思春期は、元々心身的要因で様々な事が起きやすい時期である事。
たまにワクチンに微量の、水銀、防腐剤が入っているからワクチン全部が有害のように仰る方がいますが、そもそも人体には微量の水銀が元々あり、それがヒトの細胞を構成する物質の一つである事。
防腐剤がないとワクチンは保存が難しくなり高価すぎるものになってしまうこと。

あと、良く言われますが…
「何故女子だけか…」これ?…ただの大人の事情(予算的な)問題で最低限どこまで公費で負担したら効果が得られるかだけで、女子のみ接種とされているだけで、日本以外の国では男子も接種対象になっている国もあります。
だから、本当は男子も必要なんです。ただ公費も無限ではないので、まずは…と言うところです。
実際、風疹と麻疹(はしか)の混合ワクチンも以前は女子だけでした。

色々なマイナス要因を陰謀論的に持ち出す方がいらっしゃいますが、それはそれぞれ事情と理由があります。

情けない話ではありますが、我が国の健康保険制度は、まだまだ予防医学(病気にならないための医学)には対応していません。
そこで別途予防医学に対して、予防接種を公費(税金)で行って、切迫する健康保険からの拠出金を減らして行こうと言う施策です。

日本はこの健康保険制度があまりに充実するが故に、予防医学に感心が向きませんが、病気を治すことよりも、病気にならない医学はさらに大切です。
本来ここに健康保険が適用されるべきでしょうが、現在のところそこまで及ばないのが実情です。
それだけ健康保険からの医療費の拠出はすさまじい金額なのです。

みなさんが窓口で払われるお金は、医療費の3割から1割。
その残りを公費で払っていますし、高額な手術や医療費に関しては別途税金から補填されています。

つまりこのあたりギリギリのせめぎ合いの中にワクチンによる病気の予防はあります。

ですから、都市伝説のような「ワクチンで人口をコントロール」とか、「ワクチンは有害」、「ワクチンは逆に感染を拡げる」等と言った事は絶対にあり得ないのです。

話を戻し子宮頸がんワクチンの話ですが、
「小児科学会」「産婦人科学会」等各医学系学会では、「子宮頸がんワクチンの積極的接種の再開に対する提言」を正式に声明として出しております。

これは、決して製薬会社からの賄賂でもなく、純粋に防げる病気は防ぎたいと言う私達医師の大多数の意思に基づいて出されています。

言ってしまうとワクチンは病院の規模が大きくなればなるほど管理が大変で利益がなく、管理が大変面倒になります。ですから良く大きな病院では自費負担のインフルエンザワクチン等が市中の医院より割高になっていることが多いのはその為だとご理解下さい。
ですから予防接種は極力かかりつけで接種して下さいね。

最後に…
子宮頸がんワクチンの接種をやってないと言われたら、やっている医療機関を探して、かかりつけで接種していなかった事を話せば快く受け付けてくれます。
是非子宮頸がんで亡くなる若年層の女性(定期検診率がとにかく低いので、妊娠出産のシーンで発見されることが多いです)が増加する中、年間3000人近くはこの子宮頸がんで亡くなる事実があります。

結構な数です年間3000人…

副作用被害を心配される方、またその副作用被害にクローズアップされてそこだけを見て叫ばれる方…

良ーくその数字と確率を考察されて再度判断されるべきと思います。
感染症と言うのは予防抑止がとても重要でおまじないでは防げません。

接種を差し控える医者へ一言…何故自分は医者になったのかを医大の頃のピュアな気持ちで考えて」みましょう。自ずとこのよろしくない状況をどう自分が判断しどう舵を切るかわかるはずです。
ろくに患者を診ていないおじいちゃん医者の講演をあなたはどう判断したか。優柔不断の厚労省に対して自分が如何に社会に対して責任有る役割を果たせるかじゃないかと思うのであります。

以上今朝の野良たぬきのぼやきでした…。
「たぬきじゃないよ!アライグマだよ(笑)」